145年の歴史を持つイタリアのお祭り「ヴィアレッジョのカーニバル」
イタリアのカーニバルといえば、ヴェネチアのカーニバルをイメージする人も多いと思いますが、カトリックの「復活祭」前の40日間は、信仰を改めて考える時期とされ、イタリア全土で様々なカーニバルが開催されます。今回は、イタリア屈指の豪華なカーニバル、「ヴィアレッジョのカーニバル」についてイタリア在住のフォトグラファーが詳しく紹介しています。
145年の歴史を持つカーニバル
「ヴィアレッジョ」は、イタリア屈指の観光地「フィレンツェ」から電車で約1時間半、トスカーナ州の海沿いにある街です。毎年、1月末〜2月の毎週日曜日にヴィアレッジョで開催されるカーニバルには、ヨーロッパはもちろんのこと、世界各国から約60万人の人が集まります。
最初のヴィアレッジョのカーニバルは1873年で、145年経った今も続く歴史的なカーニバルで、1954年に国営テレビ「RAI」で放送されたことがきっかけとなり、ヨーロッパ全土へこのカーニバルの存在が広まり、現在では、豪華なカーニバルとして、ヴィアレッジョの名前が知られるようになりました。
ヴィアレッジョの街には、「イル・ムゼオ・デル・カルニバーレ」(カーニバル博物館)があり、過去のカーニバルの様子や山車を閲覧することができます。
圧倒的な存在感のバラエティーな山車の数々
このヴィアレッジョのカーニバルに欠かせないのは山車(だし)。
車の上に、高さ20m、幅12mの山車が乗せられ、湾岸沿いの「ジョスエ・カルドゥィチ通り」を中心に約1kmを山車が行脚します。
この山車は、紙を使った独自の方法「パピエ・マルシェ」を用いて製造されているのも特徴的で、「パピエ・マルシェ」はその手法が確立されてから、25の工房、200人の職人の手で、このカーニバルに向けて、丹念に作り込まれます。
街を練り歩く山車は、様々なその年の風刺を捉えたものや、モンスターなどバリエーションも豊富です。
また、その山車の豪華さと迫力は圧巻です。それぞれの山車の中や周りには、そのテーマに沿ったコスチュームを身にまとった人々が囲み、山車と共にカーニバルを盛り上げます。
見物客も一緒に楽しめるカーニバル
このヴィアレッジョのカーニバルの特徴は、その豪華さはもちろんですが、見物客も一緒に盛り上がることができるのが最も特徴的です。一般の見物客の席は設置されていないため、それぞれの山車から鳴り響く音楽やダンスをバックに、練り歩く山車やその周りを囲む人々と一緒に盛り上がることができます。
イタリアのカーニバルの特徴は、見物客もコスチュームや仮面などを身につけて、一緒に楽しみます。
また、見物客は「コリアンドーリ」と呼ばれる紙吹雪をカーニバルの際には持参し、賑やかに彩りを与えます。この「復活祭」前の40日間には、イタリア全土で、この「コリアンドーリ」が道を埋め尽くす光景が見られます。
このヴィアレッジョの豪華で伝統的なカーニバルでも、コリアンドーリとコスチュームで参加することで、さらにイタリアのカーニバルの雰囲気を十分に堪能することができますよ。
今年はすでに1月末〜2月の中旬に開催されましたが、今度イタリアに訪れる予定のある方はこのお祭りへの参加もぜひ検討してみください。
開催期間:毎年1月末〜2月中旬
会場:イタリア・ヴィアレッジョ市内
公式サイト
Photo: Manami Takahashi